この度、第12回山口県言語聴覚学会の学会長を拝命いたしました、山口県済生会下関総合病院の長岡浩正です。開催にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

 現在、リハビリテーション医療を取り巻く環境は大きな転換期にあります。診療報酬制度の厳格化により、これまで以上に「質の高い根拠(エビデンス)」と「具体的な成果」が厳しく問われるようになりました。また、生成AIをはじめとするデジタル技術の急速な進歩は、私たちの業務に効率化をもたらす一方で、「言語聴覚士という人間にしかできない専門性とは何か」という本質的な問いを私たちに突きつけています。

 このような時代の潮流の中で、本年度のテーマを「原点回帰と未来への胎動 ―言語聴覚士の専門性を再定義する―」といたしました。

 私たちが日々の臨床で行っている観察、触診、そして臨床推論。これらの「原点」こそが、いかに時代が変わろうとも揺るぎない言語聴覚士のアイデンティティです。本集会では、この基本を再確認するとともに、隣県の広島国際大学より福岡達之先生をお招きし、最新のエコー技術を用いた「視える」評価の実際をご供覧いただきます。

さらに、時代の要請である「生成AIの活用」や「診療報酬の動向」を整理し、最新の技術をいかにして「患者様と向き合う時間(原点)」に還元していくか。これからのSTの在り方を、皆様と共に議論したいと考えております。

本集会が、会員一人ひとりが自らの職能を見つめ直し、山口県における言語聴覚療法のさらなる発展に向けた「胎動」となることを切に願っております。

 実り多き学びと、久方ぶりの対面での交流の場となるよう、実行委員会一同、精一杯準備を進めております。皆様の多数のご参加を、心よりお待ち申し上げております。

第12回山口県言語聴覚学会
学会長 長岡 浩正
(山口県済生会下関総合病院)